ベニスに死す ベニスに死す
 
 
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ベニスに死す :

横長のスコープサイズを生かした撮影のすばらしさにとにかく引き込まれます。これを最初に劇場で見たときは中学2年の頃でしたが、ボキャブラリーが不足していたとはいえ、そのあまりの素晴らしさに正に表現する言葉すら失ったことを覚えています。衝撃的な芸術作品に出会ったときに表現する言葉も失うというのは、芸術というのは情念を感覚的に表現するという行為であるがゆえ、言葉という別の表現形態に移し替える行為の時点で、その芸術そのものが持つ情念のカオスが失われてしまうからなのだ、ということがその後、経験を積んでわかってくるようになりました。そういう意味でこの映画は正に少子にとっては正真正銘の純粋芸術映画ともいうべき作品で、芸術映画鑑賞の原点でもあります。だからこういう映画に対しては、なるべく解説を避けたほうがいいと思うし、評価はそれぞれの人の心の中にそっとしまっておいた方がいいのではないかと思ったりしていますが、優れた芸術であるがゆえに、少しでも多くの人に共有してもらいたい、という希望はあります。未見の方は、出来うるならば、大画面の劇場で、しかも少しでもプリントの状態がよいものでの鑑賞をお薦めしたいのですが、現在ではそれも難しいと思われますので、今回の高画質なDVD化、しかも国内で初めてのオリジナルスコープサイズでのソフト化は本当に大歓迎です。

ビスコンディ監督の恥美の世界が全編に漂う傑作だと思います。ベニスというある独特の地の中で、ポーランドから来た一家に出会い、そこでタジオという絶世の美少年に心を奪われる作曲家、アッシェンバッハ。陶酔しながらも、それでもその心の異常さに気付き、いったんは地を離れようとするもそれも叶わず、最後まで少年の虜となり、コレラに犯されそこで死すという、なんとも哀れとも言える話をひたすら美しく、そして人間の滑稽さも交えて描くこの作品は見るたびに残酷にも思えるのですが、それが又この映画の限りなき輝きになっている気がします。タジオ演じるアンドレセンの美はむろん絶品ですが、見る度にダーク・ボガートの演技に見惚れてしまう。すでに老いも見える彼が化粧までほどこして、タジオを追う哀れさ。彼の演じる主人公の一挙一動の演技そのものが芯となって、ますます画面のタジオに自分も魅せられてしまう。極めつけ、あのラストを見るにつけつくづくボガートは凄い役者だなと思わずにいられない。VHSビデオと、また昔テレビで放映した吹替え録画したのも所有しているが、DVD発売で大変に楽しみであります。

美しいものに心を揺さぶられるのは、致し方ないことだと思う。<BR>それがたとえ同姓の人間で、年が離れすぎていても。<BR>…とこの映画を見て思ってしまった。<BR>それもひとえに、タージオの彫刻のような美しさを見たから。<P>老人はついついタージオを見つめてしまう。<BR>タージオはそんな熱い視線に気づいたのか、老人と<BR>すれ違うとき少し微笑む。<P>そんなタージオに翻弄される老人。<P>タージオが好きすぎて、どうしようもなくなり、美容室(?)<BR>に行くダーク・ボガート。<BR>そこで若々しく見せましょうと言って店の人が白髪染めたり<BR>化粧したりするんだけど、なんか白塗りしすぎでピエロみたいに<BR>なってます。<P>なんだか滑稽で少し悲しくもなるんだけど、私は笑ってしまった。<P>タージオの美少年すぎるポージングも笑ってしまったポイント。<P>海で、輝くタージオを見ながら死んでいく老人の最期は必見です。<BR>とにかく一度見てほしい。<P> 

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ベニスに死す&nbsp;&nbsp;&nbsp;マーラーの官能的な楽曲に誘われるようにして始まる導入部からして、魔力のような美しさを持った映画である。20世紀を代表する映画監督ルキノ・ビスコンティは「この作品は私の生涯の夢だった」と語っており、終生の愛読書であるトーマス・マンの原作に改編を加え、主人公の設定を文学者からマーラーを模した作曲家として映画化した。 <p>&nbsp;&nbsp;&nbsp;舞台となっているのは現在はベネチア映画祭が開かれるベニス・リド島。静養のため島を訪れた老作曲家(ダーク・ボガード)は、ふと見かけた美しい少年タジオに心うばわれる。監督がヨーロッパ中を探して見つけた15歳の少年ビョルン・アンドルセンは、美を追究する者をとりこにするのもうなずけるほど妖しく美しい。彼の存在なくして映画は成立しなかっただろう。死に至るまで言葉ひとつ交わすことなく少年を追い続ける作曲家。決して交じり合うことなく向けられる視線の痛々しさ。絶対的な美の前に無力となる人間のもろさが見事に描かれている。(井上新八)
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