アントワン・フィッシャーの半生を描いた自伝映画です。あらすじについては皆さんが書いてらっしゃる通りです。映画の中でのデレクルークの演技がとにかく自然で、(…ってデンゼルワシントンが言ってました。それ故私たちはアントワンに自然と感情移入することが出来ます。彼の表情一つ一つを注意して見ると、まるで彼の心の中が見えるようです。それを感じ取った私たちは、主人公をすごく身近に感じます。だから彼の一挙一動に笑い、涙し、そして微笑む。ほんのちょっとだけ自分も純粋になれた気がしました。特典メニューにアントワン本人のインタビューがありましたが、彼の笑顔が驚くほどあどけなくそして力強かったことに一番感動しました。映画館で観なかった自分を本当に後悔しました。
脚本アントン・フィッシャー、監督・助演デンゼル・ワシントン。デンゼル・ワシントンの初監督作品でもある。細部まで注意深く作り込まれた作品に仕上がっていて、安易に娯楽映画に走らず、硬派なこの作品を送り出したデンゼル・ワシントンは、監督としても、ただ者でない事を証明している。ストーリーはシンプルだがその意味するところは深刻だ。自壊しかねない危うい部下を救うため、大佐は有罪を宣告する。なんて融通の利かない奴かと思ってしまうが、パスファインドを担当していた(=ヘリコプターの離着艦を誘導する、甲板員の中でも最難度のポジション。劇中では説明されていない。)アントンの能力を非常に信頼していた。それ故、営倉入りでないのだ。明らかな説明不足は、役者に演技を要求しているし、観客にも注意深く観ろと諭している。そのバトンを受ける中佐(デンゼル)はアントン(デレク)を立ち直させる為、彼のアイデンティティを取り戻させようと試みる...。そう、小品だが傑作だ。この実話は、まさに、アメージング(感嘆する)としか言いようがない。観終わった時、そう感じる。主演デレク・ルーク、助演ジョイ・ブライアント。自伝を基にしたアントンフィッシャーの物語。92点
過酷な環境にあっても、正しく生きようという姿勢こそが大切なのだと強く訴えかける良作である<BR>気分的な落ち込みから立ち直りたい人、単純に泣きたい人は必見の映画。