~東宝が海外配給を目指して作成した意欲作。主人公は宝田明だが、その他の主要キャラは外国人でかため、海外を意識した作り。<BR>~~<BR>しかし、そんな主人公たちより遥かに目立っているのは「Drフー」の天本英世と「マダムピラニア」の浜美枝。ボンドガールの浜美枝を起用することで海外へのアピールを狙ったわけだろうが、浜美枝はさすがの存在感。同じ衣装をほとんど着ないし実にかっこいい。<BR>~~<BR>天本英世も、ハリウッドの好きそうな「謎のアジア人」を好演しさすがの貫禄。それにくらべて主役連中の影の薄いこと…<BR>肝心のキングコングの方も、当時としてはよくできた着ぐるみなのだが、オリジナルと比べるとスマートさにはかける。ここでも悪役の方のメカニコングの出来の良さが光る。やはり敵役がかっこ良く無いと映画は盛り上がらない。<BR>~~<BR>特撮ファンには「何をいまさら」という作品なのだが、せっかくだから特撮ファン以外の人にも観てほしい映画。~
この映画を一言で表現するなら、「様々な個性的要素を絶妙なバランスで手堅くまとめた佳品」というところだろうか。<P>本家キングコングを髣髴とさせるコングとゴロザウルスの対決(やられ役ながらもしっかりと見せ場を作ってみせるゴロザウルスの見事なジョバーっぷりは必見!)、和製ピーター・カッシングの異名もむべなるかなと思わず納得してしまう天本英世の怪演が楽しいドクター・フーの存在感、日本人では初のボンドガールとして有名な浜美枝演じるマダム・ピラニアの妖艶っぷり(本当にこの頃の東宝ビューティーズは個性派の美女揃いだった……)。そしてクライマックスのコングVSメカニコングの戦いは、後年の『ゴジラ対メカゴジラ』とはまた異なる趣きの、どこか牧歌的な雰囲気をかもし出している辺りが妙に味わい深い。<P>本作に限らず当時の東宝映画には、独特の洒落っ気というかダンディズムが溢れていたと思う。そんな洒落っ気にどっぷりとひたってみたい特撮映画好きには、手放しでお薦めできる良品。
60年代怪獣ブームの中でもけっして子供を出演させなかった<BR>本多猪四郎監督、特撮の手抜きを嫌う円谷英二、エスニック・<BR>土着ミュージックもマーチも得意の伊福部昭。このトリオが<BR>揃った最後の怪獣映画。<BR>メカニコング、ドクター・フーのコング輸送船、原潜エクス<BR>プロアー号、ホーバークラフト等の新しいメカの造形、ゴロザ<P>ウルスの爬虫類としてのリアルな動き…。これらはDVDでゆっくり<BR>鑑賞したい。<BR>東宝怪獣映画の最高水準の総仕上げと言えよう。