フィナーレに完全にノックアウト! 周到に張り巡らしてきた伏線を完全に生かしきって、自分たちが作った決まった大きさの、でもなかなかそのサイズが掴みにくい函のなかへと視聴者をいつのまにか追い込んでいく手法は、見事としか言いようがない。 <P>1話を見始めたころは、それでもわりと気軽な気持ちだった。映画の『攻殻』に漂う諦念、そしてなんといってもあの押井作品ならではの重苦しい空気感とは別物の『攻殻』、そう思っていたのに、実はこのシリーズのほうが、昭和史の事件を髣髴とさせる題材のせいで、話が進めば進むほど、隙なく電脳化社会のシリアスさが迫ってくる。 <P>で、気づいたときにはかなり映画の『攻殻』に近い、あの閉塞感が画面に充満していた。まずそこで、やられた! と思い、大団円の最終2話で、そうした空気も、住まう人間の「智恵と勇気」で振り払っていけるのだと衝き付けられ、さらに、映画の『攻殻』ラストをトレースして、さらに「上書き」したかのような絵で終わるのに、完全にやられた、という気分だ。 <P>そしてさらに、TVシリーズの『攻殻』、STAND ALONE COMPLEXのセカンド・シーズン制作決定が決まった。今度は押井守が制作陣にお題を投げるかたちで進むのだという。<P>これで当分、電脳硬化症ならぬ、攻殻愛好症から脚抜けすることはできそうにない。
最後を見て物足りなくなった人は、まだ「笑い男」事件の謎を解けていない。<P>一度見れば最初から見直すぐらいでないと、この作品のトリックやしかけなどは理解出来ない。ストーリーを流して楽しむ事も可能性でそれなりに楽しめるが、全体は解ったとしても謎は残るし、一度で理解するにはあまりにも難しく、そう言った面ではまったくのコアな作品。見る人を選ぶ。<P>原作とはまた一味違う「攻殻」を味え、原作ファンにも裏切らない作品で、原作好きでも一度でコアな部分まで理解出来るものではない。<P>例えば、最後にトグサがなぜあのような行動に走るのか?その回答は、そのシーンの中で回答が用意されていると言った具合。素子のシーンでも同じような「しかけ」が散らばって説明されている。一連の事件に関連しないストーリーも関連しないようでありながら関係させ、登場人物の性格を明確に深く浮き出さすといったシーンがあり、あれ?と思うシーンや見直すシーンが出てくる。<P>又、サービス精神?この作品の後継作品としての位置付けになると思われる「Ghostin the shell」へつながるシーンや原作のシーンを思い出されるしかけがあり、楽しみ方は深く理解すればするほど楽しめる作品だと思う。<P>お見事!としか言い様がないが、果たしてそこまで理解されるかどうかが一番の問題。レンタルでは無理。コアな楽しみや謎解きに挑戦したい人は全巻そろえて復習するしかない。
最終話(26話)の説明っぽいストーリーにガッカリです。<BR>これまでの複雑なストーリーを明快に解き明かす為には必要なのかも知れないけど、何度も読み返さないと理解できない様な原作が好きな私には好きになれませんでした。<BR>確かプレステのゲームのエンディングも説明っぽかった様な。複雑な原作の宿命?