ストーリーは賛否両論、インパクトは強い、和製ホラーの傑作です。<P>現在の映画と比べても、ストーリーの奥深さは全然見劣りしないですけれど、すこしだけ対象年齢も低い気がしますね。そこがまた偉大なところですが。<P>寓意と示唆に富んだ作品の構成は当時のSFの成熟度が感じられ、一部のマニア受け的な作品として扱われる程度の作品ではありません。<P>別宮貞雄の想像力溢れる映画音楽も、発泡スチロール溶剤を使用したり風月堂に頼み込んだキノコにしても、当時の映画屋達の熱い思いが伝わってきます。<P>特典である中野昭慶特撮監督の粋な姿を見ると、今の日本映画界には感じられない職人的な心意気が感じられてそれもまたひそかな感動を覚えました。<P>久保明さんによる解説では、ラストのオチの説明というかどういう心境で演じられたかについても説明があり、これもまたひとつの趣向でしたね。<P>何にせよ、こういった往年の名作がDVDになることがありがたいものです。ファンなら即買いでしょうね。
今から40年前、小学校低学年のときに近所の映画館へ兄にゴジラみたいな怪獣が出てくる映画だとだまされて連れて行かれ見に行きました。わくわくしながら見に行ったのに恐怖心を抱いて帰ってきた記憶があります。人間がマタンゴになってしまうシーン、そして最後に主人公が振り向くシーン等々、1回見ただけなのに「マタンゴ」と言う言葉を40年間覚えていられるほどのインパクトがあった映画であったことは事実です。あ~怖かった。
今から30年もむかしのことだ。土曜午後3時という中途半端な時間からTV映画劇場があった。今ひとつパッとしないマカロニウェスタンや日本映画が流れていて、いかにも時間枠つぶしという感じのモノだ。そこで観たのがマタンゴだ。出だしは覚えていない。いや、もしかすると観ていないのかも知れない。途中から記憶がはっきりしてきて、最後のオチは今でも鮮明に覚えている。とにかく怖くて怖くて、しばらく一人で夜トイレにいけなかった。とにかく話は暗くて怖い。あれから30年、このDVDを買って、本当のマタンゴの怖さをじっくり観てみたい。