手塚治虫 実験アニメーション作品 手塚治虫 実験アニメーション作品
 
 
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手塚治虫 実験アニメーション作品 :

 現在のようにデジタル技術などないのに、よくもこれだけの素晴らしい作品を生み出せたものだ・・・感服します。<BR> <BR> ものをつくるという行為はやはり発想。どれだけ技術が発達しても出発点である人間の感性に集約される、だからこそ色あせない「もの」があるのだ!そして、この作品もまたあせない。<P> 生前の手塚先生の言葉で「漫画は正妻、アニメーションは愛人」といっていたそう。しかし、愛人と言っても軽い扱いではない。この愛人は正妻に負けない程の愛情を手塚先生から受けている。 アニメーションの可能性に限り無い情熱をそそいだ一人の漫画家の作品、ご賞味あれ。<P>ひと味違う手塚治虫先生に出会えます。

 今度、「手塚治虫実験アニメーション作品集」なるDVDが出たようだ。内容はと云えば「ある街角の物語」や「おんぼろフィルム」等等、日本アニメ黎明期の傑作ばかりで豪華な作りだ。が、手塚治虫マニア(虫マニア)やアニメファンには堪らないだろうが、一般の人(?)には一見して「これ、アニメか?」と云う感想を持たれるかもしれない。<P> 無理も無い、これは「実験」アニメーション集なのだから。テレヴィで週何本も「大衆向け」アニメーションを視ている世代には、確かに難解かもしれない。<BR> だが、僕はこのDVDを、解る、解りづらい、では無く、日本初の国産アニメーション「鉄腕アトム」を作り出した手塚治虫のアニメ、として視てほしい。<P> どちらかと云えば「痛快」のイメージがあったアトムよりも、何かもの哀しい雰囲気のある「ある街角の物語」や「人魚」、激しい諷刺のある「プッシュ」や「村正」を僕は推薦する。<BR> 又、自画像は手塚最後の実験アニメーションである。病気の顔を描いているのでなにか寂しげに見えるが、最期まで精力的に作品を発表<BR>し続けた手塚の姿が窺えて、面白い。<P> とまれ僕はこのDVD を虫、アニメマニアではなく、手塚=「アトム」「ブラック・ジャック」と思ってしまっている、「大衆向けアニメ」世代の子供達に視てほしい、と思うのである。

 日本初の国産TVアニメ「鉄腕アトム」を実現した手塚氏であるが、本DVD所収のインタビューの中ではその後の日本のアニメ作品に関して虫プロの作品も含め否定的にとらえ、評価・満足できるものは実験アニメーションのものしかない、という趣旨の発言をしている。氏は漫画史のみならず、日本アニメ史を論ずる際にも良い意味でも悪い意味でも決して欠かすことが出来ない人であるが、彼自身にとっても日本アニメ史に残した足跡は満足なものではなかったように見受けられる。<BR> ここで言う「実験アニメーション」とは最近で言うところの「アートアニメーション」に相当すると思われるが、その発言から考えれば、このDVDの中には手塚氏が「本当に」目指したかったアニメ作品があると考えて良いのではなかろう!か?<P> しかしながらそう考えるとき、大衆向け作品であるディズニーに感動した氏と、大衆向けとは言い難い「実験アニメーション」に最終的に辿り着いた氏との間に、大きなギャップを感じてしまう。そして手塚氏のアニメーション製作をけちょんけちょんに批判したことのある宮崎駿氏(口が悪いのはもともとの彼の性分である)が大衆向け作品において世界レベルでの評価と栄誉を受けているのは皮肉でもあり、また当然でもある気がする。<BR> 無論「実験アニメーション」とはいっても本DVDの中の作品はユーモアやギャグ、詩情などに溢れたものが多い。とはいうものの....<BR> 『Jumping』(本DVD所収)の作画をした小林準治氏が「世界と日本のアニメーション150」(2003、ふゅーじょんぷろだくと刊)の中で<P>「(手塚)先生のた虫プロの中で、結局最初につくられた『ある街角の物語』(本DVD所収)が一番良い作品だったように思われてなりません」<BR>という発言になんとなく納得してしまう私である。

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手塚治虫 実験アニメーション作品&nbsp;&nbsp;&nbsp;手塚治虫と、彼率いるアニメーションスタジオ「虫プロダクション」が作った短編アニメーションを集めた貴重なDVD。1962年に制作された記念すべき第1作「ある街角の物語」から、亡くなる前年の1988年に作られた「自画像」まで、全13本を収録している。<br> &nbsp;&nbsp;&nbsp;日本初のTVアニメ「鉄腕アトム」を成功させた「TVアニメの始祖」として知られている手塚だが、商業的な意味合いの強いそれらとは異なる“実験アニメ”に強い憧憬を持っていたことが伺える。そのアプローチは、商業アニメにないメッセージ性を重視しようというものであったようだ。それは必ずしも成功したとは言えず、メッセージがいささか声高すぎると感じられる作品もある。<br> &nbsp;&nbsp;&nbsp;とはいえ、やはり手塚や彼の右腕だったスタッフたちの才能や情熱のきらめきが見えるシークエンスも多い。中でも「ジャンピング」は、アニメとしての動きの魅力とメッセージ性がバランスよく混ざり合った秀逸な作品だ。(安川正吾)
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