劇場で見ました。実は2本立てで同時上映の他の映画の方に興味があり、この映画はついでだから見るかというつもりだったのですが、予想を大きく裏切る素晴らしい作品でした。マリア・カラス本人の歌声が随所で使われているのですが、その美しさ迫力には唖然としました。ストーリー的にはもう少し盛り上がりや、練りこみがあれば文句ないのですが、そんなことを吹き飛ばすほどの歌声。本当に驚きました。主役を演じているファニー・アルダンの迫力ある演技も見事です。マリア・カラスにもオペラにも特に興味がなかったのに、彼女のあまりにも素晴らしい歌声には映画館で鳥肌が立ちました。大音量でもう一度鑑賞したいと心から思います。
映画を観ましたが、マリア・カラスの歌を初めて聴いた私は、まずカラスの歌声に圧倒されました。<BR>「蝶々夫人」「カルメン」「トスカ」「ノルマ」・・・ 忘れられない歌声・・・<P>ファニー・アルダンのことは「8人の女たち」で初めて知ったのですが、<BR>「永遠のマリア・カラス」を観て、表情豊かな素晴らしい演技に魅了され、<BR>彼女の実力をまざまざと見せつけられました。<P>監督の分身的役柄のジェレミー・アイアンズも良かったです。<BR>劇中劇の「カルメン」は、これだけで一本映画を作って欲しいくらいの<BR>見事な出来映え。圧巻です。<P>賛否両論あるようですが、私は観終わったあと、いい映画だったなと純粋に思いました。<BR>DVDの発売が待ち遠しいです。
実はリアルタイムのマリア・カラスを知らない。しかし、ファニー・アルダンの演技がマリアがのりうつったようだと評されていることには心底納得してしまう。絶頂期の録音に合わせて、リップ・シング(いわゆる口ぱく)で「カルメン」の映画を撮るというフィクションがかえって、マリア・カラスという希代のディーバの真実をえぐり出すことになったようだ。<P>映画撮影を楽しみ、踊り歌うことに没頭し、ほとんど全身全霊を捧げながら、あくまで「本物」へのこだわりを捨てないマリアの誇り、その心の揺れが丁寧に描かれている。そして、これでもかと響く歴史的名演奏のオン・パレード、そして、豪勢なファッション・シーン、劇中劇の「カルメン」の素晴らしさ、ジェレミー・アイアンズの人情味、サイドストーリのマイケルとの切ない純愛、本当にすみずみまで贅沢な映画です。<P>難があるとすれば、マルコ役の青年はハンサムだけどベルカントで歌ってないことだろうか。口ぱくは絶妙に出来ても、呼吸法がついていっていない。対してファニーは完璧に身体全体で歌っている(蝶々夫人のアリアをだみ声で歌っているシーンには泣かされた)。<P>映画館は、生前のマリアに熱狂したと思われる妙齢のカップルでほぼ満席で驚いた。不幸だったとされる晩年を精一杯生きたという虚構に慰められるからかもしれない。