観るたびに、雪子の想いがとても切なく感じます。雪子役の須藤さんは本当にいいですね。はまり役でした。何度か観てると雪子の微妙な表情の変化にもとても気を使っています。ストーリーの中で雪子はとてもつらい恋をしてますが、そのぶんエンドロールで雪子が微笑む姿(4人が歩いてくるところ)がとても印象的で美しく感じました。<P>監督のおっしゃる通り不自然な部分の多い映画ですが、だからこそ雪子の一途な想いがひしひしと伝わってくるのではないでしょうか…。もちろん他の俳優さんの演技もお見事でした。胸がいっぱいになる映画です。
駅、それは出会いと別れの舞台であり、人生と心の交差点でもある。そこで最後に残るのは、どうしようもない寂しさだ。<BR>臼杵という美しく叙情的な街と小さな駅を舞台にはかなく、やるせない恋と心の謎を28年の時間を超えて描くノスタルジックなラブストーリー。全編に美しい映像と音楽が満ち溢れている。<P>ヒロイン雪子が、恋する人に想いをこめて語る名付け親である祖母と「雪子」の由来の話が、皮肉な形で輪廻するところが悲しすぎる。雪子の娘である夏帆には、この悲しい輪廻から抜け出してほしいと願わざるを得ない。
近年見た映画の中でとても印象に残った一本です。登場人物達の痛く切ない思いと美しい臼杵の町の対比が胸に迫ります。キャストの方々も実に魅力的に演じています。特に雪子役の須藤温子さんが綺麗です。大林監督は本当に素敵な作品を見せてくれます。洋画ばかり見て、あまり邦画は見ないのですが、すっかりこの映画に魅せられてしまいました。臼杵の町を散策して、ロケで使われた場所を巡ってしまったほどです。「雪子の家」を目の当たりにした時は本当に感無量でした。臼杵の町は古風でとても風情のある良い町です。なんと言っても「ふぐ」が美味しいです。日本映画に元気がないと言われて久しいのですが、まだこんな素晴らしい作品が生まれています。