とにかくテンポがいい!勝新太郎さんのを見た事がなかったので、なんの先入観も持たずに観たのが良かったのかもしれません。出来るのか?殺陣なんて、と思っていましたがとんでもない。格好良くて惚れなおしました!ガナルカナルタカのおもしろさも最高でした!観て損はない映画だと思います。タップダンスも、あの意味はと聞かれると困りますが、大団円、という感じをよく表していてよいと思います。ただ、最後のビートたけしの台詞は余計だったなぁと思うので星4つです。
単純明快なまでに勧善懲悪。一般にはたけしが斬って斬って斬りまくるシーンが話題だが、自分はむしろ、ガダルカナル・タカ他らが演じる町人たちが憎めない愛すべき存在として印象的。この映画を観ると、北野武という男が権力側でなく、あくまで庶民の側に立つ人間であることが痛いほど伝わってくる。ラストで町人や農民が一斉に踊る村祭りのシーンは背筋が寒くなるほどカッコイイ。もっと延々と引っ張ってほしかったな・・・。
北野監督の処女作「その男凶暴につき」は、銃の使い方がとにかくうまかった。全く弾をよけない、無表情で突然撃つ、薬莢の音がする・・・。どれも当時の映画にはない演出で、凶器としての銃に重みを感じた。この作品は凶器を銃から日本刀に変えたわけだが、今度は日本刀の使い方が見事だ。刃を合わせる事がほとんどない、血飛沫が上がる、一瞬で決まる・・・。殺陣のアイデア自体は勝新やその他の名作時代劇をベースにしたものだろうが、CGを使って見事に現代に昇華させている。古今東西を問わず、これからソードアクションのお手本となるだろう。音楽についてはゲームミュージックのようだが、これも妙にマッチしている。編集も見事で、コテコテの笑いと激しい殺陣を交互にはさむことで絶妙な緩急をつけている。北野監督作品では初めて一般受けもする作品だろう。