マドンナって、つくづく天才だと思います。他の歌手がやらないことを、次々と先駆者的にやってきた。。。人を楽しませ、人をびっくりさせ、ときにはお上品な紳士・淑女を怒らせることにかけては、彼女の上を行く人はいないと思います。<P>「私は自分が最高の歌手でも、最高のダンサーでもないことを知っている」というセリフが出てきますが(英語で言ってたので、聞き違えてたらごめんなさい)」、この人は自分の限界を知っている頭のよい人だな、と思いました。<P>それにしても、彼女、下品だね。彼女のファンである僕でも、ちょっとそこまでやらなくても、って思うシーンが一杯。劇中の彼女自身の言葉によれば、それはhumanity(人間性、人間らしさ)を表現しているそうですが、そう考えれば、納得?
本作中、ツアーメンバーから「一番愛した男は?」との質問にマドンナはそう静かに、素直に、自然に、応えた。その時、彼女の顔からスターのペルソナが落ち、完全に心を開いた独りの「女の子」の顔だった。ものすごくリアルで切実で、僕は胸が痛かった。~トップに昇る意思を固めたタフな人間であるとともに、本作にはその孤独・メンバー間の亀裂修復のマネジメントの苦痛が実に自然に描かれてゆく。僕自身は彼女の特別なファンではないが、複雑な家族関係・スターとしての虚像・その狭間で「本当の自分」を保とうとする独りの女性のドキュメントとしてとても興味深く、--誰の人生でも単純ではないが--、虚像の頂点を目指す人間の至福と痛みに深く共感を覚えた。
純粋にミュージックビデオを楽しみたい方にはお薦めできません<BR>でも素顔のマドンナを見たい方にはお薦めかも<BR>でも個人的には「実」の部分よりも「虚」の方が好きだな