幻の湖 幻の湖
 
 
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幻の湖 :

多くのレビューではあまりにも「変な映画」的な側面が強調されていますが、<BR>真剣に「人が持つ気持ちのグルーヴ感」みたいなものを<BR>描こうとした映画だと僕は思っています。<P>主人公の考えることがいわゆる「完全」ではないのは<BR>リアリティの表れです。<BR>多くの一般的な映画では主人公は道理にかなった行動しか<P>行いません。ですが、この映画の主人公は違います。<P>まさに自分の信じる道を行きます。<BR>それがどんなに他人から見たときにくだらなくても、<BR>意味がないように見えても、自分が正しいと思う道を行く。<BR>そういうことの意味は<BR>「結局は人生は限られた一瞬の夢である」<BR>ということだと思います。<BR>そして、そういうことを信じて実行する人間の姿は<P>他人から見るとおかしなものに見!えるものです。<BR>ですからもちろん、笑えます。しかし、その底には<BR>強烈なリアリティがあると思うのです。<BR>本当にそのように考えて、行動した人間がどこかにいる、<BR>という感覚がある。<P>そういう意味で本当に勇気付けられるというか、感動する映画です。<BR>人間とはこのようにして、唐突に、笑われながら、<P>夢の中で生きるものだと思います。<BR>その夢がいかに荒唐無稽なものであったとしてもね。<BR>僕の人生に対する実感とまったく同じです。<BR>僕も同じように夢の中で生きていますので。<P>表現に対する真摯な姿勢として<BR>これ以上の立場は存在しないでしょう。

1982年、この映画を前橋市の文映という映画館で観た。毎日のジョッギングが趣味だった私にとって「走る」ことを追求するように撮影されたこの作品は衝撃的だった。『ロッキー』でスタローンが走る。『コンドル』でレッドフォードが走る。『人間の証明』で優作が走る。『シネマパラダイス』のラストのキスシーンばかりを集めるように「走る」シーンのオマージュを作ると、この映画のシーンは絶対に入れたい。リストの前奏曲が全編に流れ、なんともわけのわからなさではシュトラウスのツァラトストラの流れるあの『2001年宇宙の旅』に匹敵するのではなかろうか。当時、文庫本で出版されたノベラリゼーションももちろん買って読みました。懐かしい。こんな映画が好きな僕って変ですか?

まさにこの作品が「東宝50周年記念作品」という大作であることは近年までほとんど知られていませんでした。だって1週間で打ち切られ、その後お蔵入りして東宝さんも触れなかったから。何年か前から「変な映画がある」というのは話題になっていました。東宝さんも有名になった今なら売れると判断したんだろうな。普通は恥として葬り去るべき映画で、今さら売り出さないはずだもの。<BR>いろいろなサイトで触れられているように、内容は超絶。日本にもこんなトンデモ映画があったのだ、という記念碑的作品ではあります。そのゴージャスさ、破綻度ではかのシベ超をはるかにしのぎます。何じゃこりゃ、としかいいようがありません。<P>それにしても、当時、誰か「この映画は変なんじゃないか」と冷静なツッコミを入れる人はいなかったんだろうか。橋本忍作品だけにいなかったんだろうな。

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