ワンダフルライフ ワンダフルライフ
 
 
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ワンダフルライフ :

とても静謐で美しく、風変わりな映画。死後の世界で死者達がたった一つだけ思い出を選び、それを映画化するという不思議なお話なのだが、これが邦画にありがちな甘くて安っぽいファンタジーにならなかったのは、ひとえに是枝監督の非凡な手法と映像センスにあると思う。何とこの人はこんなに非現実的なストーリーをドキュメンタリータッチでやってしまうのだ。素人を大勢起用し、インタヴューのクリップをつなぎ、役者が芝居している部分もそれらしく演出しているが、それがこのストーリーの不思議さに完璧に調和している。こんな風にファンタジーを撮った映画が他にあるだろうか。ちゃちなSFXなど一切ない。それが非常にリアルであり、かつ繊細な光溢れる映像とあいまって独特の詩情を醸し出している㡊<P>登場人物達の服装、部屋のインテリア、仕事場の雰囲気もちょっと昔の日本のアンティークなテイストがあって、やはり『幻の光』の是枝監督だなと思わせる。あくまで日本的、その中にぴんとはりつめた美意識が息づいている。淡々としたエピソードの隅々にまで、監督の静謐な感性が沁み通っている。いかようにでもドラマティックに持っていける話なのにあえてそれをせず、最初から最後まで見事に抑制した演出がなされている。甘ったるさ過剰、ドラマ過剰の邦画制作者は見習って欲しい。SFXなんか一切なくてもこんなに美しいファンタジー映画ができるじゃないか。<P>たった一つの記憶に人生のすべてが集約される時、人間は何を思い、何を語るのか。この掴みどころのないテーマを、是枝監督は静謐な映像と斬新な手法、過剰を排したきわめて巧緻なプロットで見事に描き出した。傑作。

静かに続いていく会話だけですが、自分が直接人と話しているときのように、聞き入ってしまいます。わざとらしい泣かせシーンもない、しーんとした中にふつふつと感情が伝わってくるような映画でした。

私がこの映画を最初に見たのは海外でした。<BR>英語でのタイトルは“After Life”。<BR>でも邦題の『ワンダフル・ライフ』に見終わった後、感慨が深まります。<BR>死後、本当にこんな七日間があったらいい。<BR>登場人物が選ぶ思い出にも、「ああ、そういった些細なことも幸せなんだよな」と<BR>自分に欠けてた視点に、はっとさせられます。<P>悲喜こもごも、どんな人生も「ワンダフル」なのだと<BR>切ない気分と共に勇気づけられる作品です。<P>ちなみに某CMの「モノより思い出」シリーズは<BR>'99~'01、是枝監督が手がけていらっしゃったようですよ。

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ワンダフルライフ&nbsp;&nbsp;&nbsp;古ぼけた建物にやってきた22人。そこの職員たちは「あなたは昨日、お亡くなりになりました。あなたにとって一番大切な思い出をひとつ選んで下さい」と告げる。思い出は職員たちの手で撮影され、最終日に上映されるという。死者たちは思い思いに自分の人生を語り、一番の思い出を決めていく。だが、望月(ARATA)が担当する死者の渡辺(内藤武敏)は、思い出を選ぶうち、自らの人生を空しく感じ始めていた。その姿を見て、次第に心が揺らいでゆく望月。そして物語は意外な結末を迎える…。<br> &nbsp;&nbsp;&nbsp;死者を思い出の映像化で送り出すという奇想天外なアイデアを、静かな映像でつづる不思議な作品。一般の人々も多数出演しており、彼らの朴とつな語りがドラマとドキュメンタリーの境を突き崩し、観客にも「大切な思い出とは?」「自分の人生とは?」を考えるキッカケを与えてくれる。しかし決して説教臭くはない。ドラマティックな要素も織り込まれ、サラリとしているようでコクのある映画だ。(茂木直美)
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