この「監禁」シリーズでは、元ネタになった事件のルポライターがきっちりと監修で入っている作品(「完全なる飼育 愛の40日」というタイトルで、深海さんという女優が主演のもの)は数に入っていないようだが、さすがにそれはデキが良かった。それに対してこの作品は全体に芝居がクサすぎるように思う。所詮和田勉さんが最初に手を付けたテーマ(小島聖さんと竹中直人さんが主演したもの)の焼き直しに過ぎないのであるから、もう少し解釈を変えても良かったのではないか。ただショッキングなセックスシーンを垂れ流しにしているだけのように思う。もっとも、そういうものを求めている人にとっては買いだとは思うが。
「完全なる飼育」と非常に似てますね。まだ「完全なる飼育 香港情夜」は観てませんが、女の子を拉致監禁してという一連の映画では、個人的には、この作品がいちばんいいのではないかと思います。理由はこの作品のストーリー、結末がもっとも現実的で、実際に起こりそうだからです。<P> 桜井さんの演技では、確かにぎこちないシーンもありますが、怖がったり、逃げたりする場面では、本当に怖いのでは、本当に逃げたいのでは、と思ってしまいます。よく役に入り込んでいるのではないかと思います。あとヒロインのビジュアルはこの子がいちばんいいのではと個人的には思うのですが。
最近はやりの「監禁モノ」だ。監禁した側とされた側とで、奇妙な同胞意識が芽生えてくるという、何とも理解しがたい内容だ。ただ、本作品の場合、最後のどんでん返しやちょっぴり背筋の寒い話もあるが、中間部は何度も何度も体位にバリエーションをつけたファックシーン(ある時は海外で、ありときは風呂場で、などなど)のオンパレード。映画紹介のインタビュー画像で「ヌードシーンの必然性」を強調していたが、とてもそのようには思えなかった。せっかく、「犯罪心理学」のような本を読むのであれば、そうした点にもスポットを当てれば良かったのに、と思う。もちろん、個人的にはヌードシーンは大歓迎ですけど、映画作品としての質はどうかな?