強がっているが、ぎこちなく、なにをするにも不器用な男、ビリー。<BR>ギャロが演じる主人公ビリーは、生きることにも愛することにも不器用で情けない男。<BR>それでいて奇妙におかしく、無性に愛おしい・・。無精髭にロン毛、タイトなパンツに<BR>真っ赤なブーツで生き急ぐビリー。自分自身の見せ方を完璧に心得ているギャロのセンスが光っています。<P>最後まで粋がって見せるビリーに、ただなにも言わず寄り添ったレイラ役、<BR>クリスティーナ・リッチの演技も素晴らしい。粋がってるけど、ほんとは弱くて寂しがり屋・・<BR>男ってみんなそんな部分をどこかしら持っていると思いませんか?<BR>観終わった後、爽やかな興奮感を満喫できる作品です。
僕が貸した「バッファロー'66」のDVDを見た友人はこう言った。<BR>「なんかあまりパッとしない。ラストでちょっと驚いたけど『だからどうしたの?』という感じ。」<BR>確かにラストはどこか腑に落ちない感がある。昨今の洋画のお決まりパターンのように、一筋縄にハッピーエンドではない。だが逆にそれは新鮮であり、ヴィンセント・ギャロの才能が光るところなのだ。<P>この作品では至る所にヴィンセント・ギャロ的な孤独、そして愛欲が描かれている。それは彼の両親との再会のシーンであったり、友人グーンとの会話のシーンでも見え隠れしている。またクリスティーナ・リッチの母のような博愛が不器用な彼を変えていく姿も、彼の理想とするひとつの愛の形なのだろう。そしてこんな彼の愛を盛り立てている撮影巧、音楽もギャロのセンスが非常に出ている。<P>見る人を選ぶかもしれない。だが一度見てほしい。きっと心に残る良作となるはずだ。
この映画のカット割や、音楽って今色々なTV番組で真似されていますよね。ゴールデンのパロディでまねしていて「笑い」として成立しているんですから、相当の人がこの映画を観ているのでしょうね。<BR>しかし、初めて見た時は、映像の手法や音楽の使い方にびっくりしました。<P>このヴィンセント・ギャロの才能を93年に石川三知花さんはもう見抜いているんですよ!ほんっとすごい審美眼(詳しくは本の「シネマ通信」を)<P>またクリスティーナ・リッチの聖母みたいな表情がとても素敵。そして、健康的(やや過剰に)がまた素敵だった(今はダイエット成功したみたいで露出しまくってるけど)撮影中も全く口をきかなかったらしいのですが、そんな逸話もヴィンセント・ギャロっぽいですね。映像といい、音楽と!いい、クリスティーナ・リッチをキャスティングしたところといい、ホントすごいセンスのいい映画です。ヴィンセント・ギャロすごい人だ~!!