本格的にバレエをやっている私には「そう、そうなんだよね。」と共感出来たと同時に、今までバレエ(ダンス)映画といえばシンデレラストーリーで終わるものばかりだったので、バレリーナのストリクトさを世間に解からせてくれた気がした。ドキュメンタリーならではと思う。バレエに関係の無い人にも、己の目標や夢に向かう過程でどのように選択・決断していけば良いか、考える道標になるかもしれない。私には、バレエと共に生きていく覚悟をさせてくれた。
誰もが持っている(と、思う)将来の夢・目標。それを叶えるための努力・訓練。そして、それが叶ってからの重圧・苦悩。そして継続することの苦痛・葛藤。でも前に進まずにはいられない。<P>バレエとは形はちがっても自分自身の日々の中にある苦悩・葛藤と重複して映画に引き込まれてしまいました。もちろん、この作品によって自分自身の苦悩が解決されるわけではありませんが、自分の中に衝撃となって、また前を歩んでいくことへの手助けになると思います。
日本語で「星」を意味するエトワールという、最高の地位に登りつめたトップダンサーとその他の団員達の光と影とを記録したものです。太陽王ルイ14世の時代から341年の伝統をもつこのパリオペラ座に、初めてカメラが潜入したとしてフランスでも 話題になった作品です。アメリカ映画とは逆に、全く派手さはありません。しかし稽古場のピアノ伴奏が音楽となり、必死に練習を繰り返すダンサーの肉体は言葉以上のものを物語ります。華やかさの裏に隠されたエトワールの苦悩とバレエへの情熱が感じられるとても質の高いフランス映画です。日本人初オペラ座の正団員に昇格した藤井美帆さんの姿も見ることができます。