フィレンツェでは、ルネサンス発祥の地ということもあって、街並みより芸術を魅せている。<BR>芸術のふるさとに集った偉大な天才たち、ボッチチェリ、ラファエロ、ミケランジェロ、そしてダ・ビンチなどの彫刻・絵画を、それにふさわしい音楽とともに観賞できる。<P>全体を通して、ルネサンスのシンボルである大聖堂は良かったのだが、もう少し街並みを見たかったという印象が残った。<BR>ヴェッキオ宮殿の壁画にまつわる話やメディティ家と芸術家たちの話は興味深かったので聞いて欲しいところである。<P>芸術作品に重点を置いたフィレンツェとは異なり、水の都ベネチアの方は、街並みの特異性に注目して作られている。<P>あの水上都市を造るのに用いた独自技術、建物を支える土台造りに無数の木の杭を打ち込んだという解説には驚いたし、水上都市ならではの生活風景などは一見の価値がある。<P>「自由の橋」やアドリア海～ベネチア全景を空から撮影した風景もいいのだが、運河を走るゴンドラから撮影した街並みの風景は、その風景にマッチした音楽を流すことで、より素晴らしいものになっている。<BR>ここは必見であり、ここだけで、このDVDの購入価値ありと言っても過言ではない。<P>ベネチアには欠かせないという祭り「レガータ　ストーリカ」の紹介があるのだが、これはもう少し短めにして欲しかったと個人的には思う。<P>映像は水の都の街並みを堪能できるベネチアが良いが、絵画・彫刻を楽しめるフィレンツェも見逃せない。<P>また、それとともに流れる音楽がとても心地よく、イタリアの魅力を醸し出している点が、この作品の最も評価できるところであり、ナレーションの巧拙は別にして、映像・音楽・解説の３拍子揃ったものである。<P>ただ、世界遺産としては、さほど感動的なものではなく、イタリアの２つの都市を巡る「旅もの」としては良いのではないかと思う。<P>★５つにしたいが、他の作品（TBSの世界遺産）との比較で、１つだけ減っている。

フィレンチェ、ベネチアというイタリアの代表的な二都市の魅力がよくまとめられている作品で、とても気に入りました。何よりとても美しい映像だったので、一気に見てしまいました。全部で一時間という長さなので、何度でも気軽に見られる点も気に入っています。イタリアを訪れたいが時間がないという方にとっては仮想体験の一助として、行かれたことがある方には自分の旅の思い出に添える一品として、あってもいいのではと思います。