ビデオでとられたこの低予算映画は、その悪条件を逆手にとって素晴らしい密室劇を誕生させた。映画の大部分がマンションの一室で撮影され、しかも登場人物はほぼ2人きり。このもっともシンプルな条件で一瞬たりとも飽きさせる事なく緊張感を持続させたその演出手腕はすごい。篠原監督のターニングポイントになった作品だと思う。最近流行のインディーズ映画の制作を目指している人たちにとっては、学ぶべき点が満載のバイブルのような映画である。