非常に楽しめる娯楽作品でした。<BR>まず、銀ちゃん(風間)が凄すぎる!<BR>そして、もちろん、映画論みたいに場の認識が変わるのだが(映画の中の映画の中の…映画)、そんなことを哲学的に分からせようとする堅苦しさもなく、展開も速いし、見ていて楽しかった。<P>少し古めの深作作品をもっと見てみたくなりました。
この映画、主役は誰なんでしょうねえ。<BR>深作監督みたいですね。<BR>深作監督の愛情が松坂慶子さんに<BR>茶目っ気が風間杜夫さんに<BR>実は主役な平田満さん。と言う感じでしょうか。<BR>つかこうへいさんの戯曲が良いと思います。<BR>かなり時代が流れたのでしょうが、公開当時の映画館の雰囲気を思い出してみます。<BR>高校生とかにも人気のあった作品で、<P>私が観にいったロードショーの映画館では大笑いが、涙が起きて、<BR>終ったときに女子高校生が数人で一斉にロビーの方に走り、<BR>「最高でしょう」「良かった」と大声で言い合っていたのを<BR>今でも覚えております。映画館自体が笑いに包み込まれていたのですね。<P>今じゃ、とらえ方も違うと思いますが、そういったある時代の人には<P>大きく受けた、支持さ!れた映画でした。<BR>大のお勧めです。
これは松坂慶子演じる小夏が、風間杜夫演じる落ち目の看板俳優銀ちゃんに言う台詞。「そうそう。女って寂しがり屋よね?」って男だって同じだってか?もう性格も行動もめちゃくちゃの銀ちゃんに女として惚れてる小夏と、男として惚れてるヤスが夫婦になるってんだからびっくり。でも銀ちゃん命で、しかも小夏に憧れていたヤスが「銀ちゃんの命令」で「夫として」小夏に尽くす姿は痛々しい。<P>初めは「大っきらいよ、あんたみたいなの!」と冷たく言い捨てる小夏だが、「小夏さんと結婚するって実家の母ちゃんに言っちゃったんです。」と、本気で結婚を考えている全く駆け引きのできないヤスの態度に女としてひかれてゆく。ヤスの故郷で二人は大歓迎を受け、その夜小夏は初めてヤスを夫として受け容れ、二人は結ばれる。こんなに純情で初々しい初夜のシーンはないんだろうかと思って、いつもこの場面で涙してしまう。<BR>それからのつかの間の小さな幸福。ヤスの受け容れた「階段落ち」で、二人の平和な生活は不穏な影が差してゆく。これ以上は語るまい。最後が涙のハッピーエンドになるところが深作欣二監督らしいなーと思う。これはホントに芝居が好きな男と女のモノガタリなのであります。