野島氏は80年代にもトレンディードラマ系で活躍していたようだが、事実上「野島世界」を構築したのは「高校教師」が始まりではないだろうか?この作品で色々なタブーを取り上げ話題になったが、続く2作目と言ってよいであろう、「人間失格」もまた新たなタブーに挑戦した。<P>前作で謎めいた女優として注目を集めた桜井を再び起用、そして温厚なキャラクター設定で存在感を示した赤井が再び主役として抜擢された。前作同様温厚な人物設定でまたしても見事なはまり役ではあったが、前作と微妙に異なるのは赤井が後半になるにつれ殺人鬼へと変貌してしまう事だ。しかしながらその動機を知ると息子を失ったがためにがその感情がちょっと歪んだ方向へ行ってしまった。つまり紙一重な部分で善人の故に殺人鬼へと豹変してしまったとも言える。<BR>桜井は前作とは全く逆のおてんばな先生役という設定で言い意味で期待を裏切った。<P>そして準主役として全くの素人キンキキッズを起用。当初はジャニーズが野島ドラマに染まるか?と危惧していたが、何のその見事にドラマに溶け込んでいた。特に剛が前半編の最後に墓の前で眠るように泣いていたのは初ドラマとは思えないほど好演だったし、赤井との球場での最後のキャッチボールは関西弁でしか伝わらない温かさを感じた。<P>確かに、前半の過激ないじめシーンや後半の戦慄の復讐と相変わらずの「野島節」が随所に見られたが、上記のような温かいシーンもそれに匹敵する程多いのも事実。過激なシーンがあるが故に温かいシーンは相乗効果で泣ける部分もある。<P>また、「ポスト京本」加勢はそれまでの役を覆すほどの泥泥した二面性を持つ役を好演したし、脇役ではあったが体育教師役斉藤もどこか滑稽だったが女装写真を発見してしまったシーンや赤井にラーメンのおかもちで撲殺される所は見事な好演だった。<P>野島作品では高校教師と肩を並べる傑作である。
父親役の赤井の、父親として息子にとった失格な行動、教師役の桜井幸子の教師としていじめ側の生徒までも信じきり、いじめの真実はないと判断してしまった、教師的に失格だった行動・・・一人の少年にとって唯一の暗闇から救ってくれるはずの光のような存在でなくてはならない親と教師にまで頼れなくなり、そのために一人の少年の悲劇を招いてしまった事による親や教師の自分への葛藤、そして父親は息子の悲劇の<BR>真実を知り、さらに深い自分への痛みと悲しみ、そしていじめをしたものへの激しい怒りを覚え、やがてさらに自分を暗闇に突き落とす行動にでてしまう・・・。<P>そんなに息子の事を思っているなら、なんで息子を最後まで信じてやらないんだという、とても残念な気持ちになると同時にその事を悔!いる父親の悲しみの姿に同情の気持ちがじわじわと沸いて来る。感動する場面や悲しい場面が多々あるが、最後は安らぎのある暖かさを感じながら見て欲しい。<P>これを見て、是非自分がこの人物の立場になったら・・・って考えながらいじめの悲惨さなども理解し、いじめのない学校が少しでも多くなって欲しいと思います。
キンキの2人がデビュー当時の頃のドラマなんですけど、いじめや人間関係のことに考えさせられます!感動もあり・・・。何回見ても飽きませんよ!涙涙で絶えません!