砂の器 砂の器
 
 
  音楽・ステージ   外国映画   日本映画   アニメ   アイドル   ホビー・実用   スポーツ・フィットネス   キッズ・ファミリー   TV・ドキュメンタリー   BOXセット  
砂の器 :

初めて見たのが25年程前、その後何度かリバイバルやビデオで見ましたが、DVDを購入しあらためてここまで見事な映画であったかと感動しました。脚本、映像、演技、音楽、一分の隙もありません。<P>特に今回は映像を見ながら「ラストサムライ」が成功した理由の一つが日本の四季である点を思い出し、映像の中の背景の美しさがいかに映画の質を際立たせるかを痛感しました。<P>TVドラマのクレジットに橋本忍さんのお名前が載っていて、なる程と思いましたが、TV版をどうのこうのではなく、やはりこの映画が多くの人に感動を与えるのは、映画が映画でありこの作品に関しては映画を超えているからという気がします。<BR>残念ながら私はこの映画を上回る日本映画に出会っていません。

邦画史上稀に見る、犯罪映画の力作である。しかし、只一つ、それも大きな欠点を指摘しなければならない。それは犯人の犯行理由が明確に語られていない事だ。犯人役の加藤剛自身、撮影中『何で私はあんな良い人を殺す事になったのか理解出来ない…解らない』と終始言い続けていたという。見ていることらも解らない。「名声を得た現在、悲惨な過去を知る人物は邪魔者だったから?」「病気にまつわる偏見から逃れたいがための犯行?」幾つかの推測は成り立つが、作品がそれを語ったり示唆してはいない。つまり、犯人側の心理の綾が意外に希薄なのだ。クライマックス、音楽と回想シーンの融合が大いに情緒を刺激し、嫌が上にも『感動』を演出してくれる。その勢いをもってしても「犯行理由」のあやふやさは払拭出来ない。 これは、推理モノとしては、見過ごしに出来ない「欠点」だ。にもかかわらず、私はこの作品を見るべき「日本映画」として語り継いで行くだろう。それだけの魅力とパワーがこの作品にはある。

いわゆる犯罪・推理のジャンルに入る作品だが、同じジャンルの日本映画でこの作品と肩を並べるものは無いと断言できる。<BR>原作ではほんの数行しかない父と子の苦悩の旅路を、黒澤作品で知られる脚本家橋本忍が自らのイメージを膨らませた脚本の見事さ!<BR>その脚本を圧倒的な映像美で見せた野村芳太郎監督の演出の奇跡!<P>丹波哲郎をはじめとする豪華な出演陣が見事な演技を披露し、もう、今の日本映画には望むことが出来ないであろう格調高い作品に仕上がっている。<BR>また、クライマックスで奏でられる交響楽「宿命」がこの映画をいやが上にも盛り上げ、日本映画としては珍しく、映像と音楽が見事に一体化した成功例である。<P>普段日本映画をあまり見ない方たちにも是非観てもらいたい不朽の名作である。

砂の器 ↑ご購入はこちらからどうぞ。
砂の器&nbsp;&nbsp;&nbsp;ひとりの老人(緒形拳)が何者かに殺害され、ふたりの刑事(丹波哲郎、森田健作)が事件を担当し、日本中をかけめぐる。やがて、その事件の影に若き天才作曲家・和賀英良(加藤剛)の存在が浮かび上がっていく。そして和賀は、交響曲『宿命』を作曲し、自らの指揮・ピアノ演奏でそれを披露しようとしていた…。 <br>&nbsp;&nbsp;&nbsp;松本清張の同名ミステリ小説を原作に、松竹の巨匠・野村芳太郎監督が壮大なスケールで映画化したヒューマン社会派サスペンス巨編。ドラマの後半は交響曲『宿命』と日本の四季折々の風景をバックに、事件の謎解きとともに、父と子の逃れられない宿命の絆が浮き彫りにされていき、これでもかと言わんばかりに観客の涙腺を刺激する。 <br>&nbsp;&nbsp;&nbsp;豪華キャストもそれぞれ柄に合った好演をみせてくれているが、特に丹波哲郎の貫禄に満ちた名演は忘れ難い。日本映画が、日本映画だからこそなしえた、日本映画ならではの奇跡のような大傑作。(的田也寸志)
| 音楽・ステージ | 外国映画 | 日本映画 | アニメ | アイドル | ホビー・実用 | スポーツ・フィットネス | キッズ・ファミリー | TV・ドキュメンタリー | BOXセット

DVD