「ふたり」と巡り逢ったのは、赤川次郎作品の原作です。<BR>原作と映画作品、最初に巡り逢うのがどちらかにより、その作品のイメージが出来上がり、たいていは後に巡り逢う方の作品にはガッカリさせられます。<BR>ところがこの作品は、原作のイメージを損なうどころか、別の魅力と引き換えて素晴らしい作品に仕上げています。<BR>別の魅力とは、大林ワールドと呼ばれる尾道作品の魅力が、存分に詰め込まれているのです。<BR>そして、ここで感じられた空気感は、きっと原作でも同じように触れることが出来るでしょう。<BR>映画と原作、ぜひセットで体験してみてください。<BR>きっと違った魅力が味わえるでしょう。<BR>原作のファンはもちろんのこと、大林ファンには欠かせない1枚です。
冒頭,実加(石田ひかり)が「どこじゃどこじゃ・・・」と楽譜を探し<BR>ながら散らかった自分の部屋から千津子の部屋へと行くシーン,実加の<BR>独り言が心にすっと入ってきます。ここからもう映画の中にすっかり引<BR>き込まれていきます。<BR>甘えん坊の実加が成長する姿もうそうですが,もう一人の幽霊として<BR>いつも居住まいを正し,けなげに優等生を務める千津子の姿に端正な美しさを感じます。物語が進むにつれて千鶴子が成長した妹に先を越さ<BR>れていく悲しさにも感動しました。<BR>見終わったあとの余韻が長く,深く続く映画でした。<BR>自分にとって大切な,ずっと手元においておきたい大切なDVDです。
最初はなんだか暗い画面で登場人物も皆ぼそぼそと喋りああ失敗かな?と思いましたがいつの間にか引き込まれてしまいました。<BR>挿入歌の「草の想い」も美しく悲しいメロディが作品にぴったり。<BR>なにも出来ない妹が少しずつ成長していく様とそれを見守る幽霊になってしまった姉。家族の成長もそこに加わり見るものすべてに何かを遺す作品です。