この作品は、たぶん、宮崎駿監督の頃の青春感を今に当てはめたものだと思います。その強い思いがソフトなタッチで感じます。また、現代の都会の中に、アンチークな童話的空間を織り交ぜ、そこに主人公二人の不思議な結びつきを描くあたり、宮崎流のにくい美学みたいなものを感じます。何と言っても、二人の間に透明な初恋の壁、時折、無視し合ったり、見つめ合って口ごもるところを詳細に描写するところなど、若いときあった甘い羞恥心をくすぐります。誰にでも、さわやかな息吹を頬に感じるこの作品は、特にひっそり見たとき、自分は生きていると思うにちがいありません。
世間の波に流されず、型にはまることをかたくなに拒み、自分が納得できる生き方をしている雫を見ると、あぁがんばろうって思う。<BR>猫を追いかけてたどり着く不思議なお店は、誰もが小さい頃、小さな足で、ちょっと遠くへ冒険したあのドキドキ感を思い出す。<BR>ラスト、聖司との恋は・・・・・心がキュンとあったかくなる映画です。
前から見たくて、とうとうDVDを買って見ました。<BR>本当にすばらしいと思えた映画でした。中学3年生の日常がありありと描かれています。自分も同じ中3なので、受験に対する不安や憂鬱、人を好きになる気持ちなど、とても共感できます。今まで友達だったのに、そこに恋愛感情が入ってしまい、素直にしゃべれなくなってしまう。まさに今起こっているようなことを描いてます。一番感動したのが、ラスト場面、聖司が大好きだと言いながら雫を抱く場面。図書カードの名前を見つけてから始まり、そこから出会いを重ね、ついに2人は結ばれる、そんな運命的な出会いをしたい、運命の人に出会いたいと思いました。それと同じに、夢をひたむきに追う聖司がかっこよく見え、好きな人を思いつづけ、生き生きしている雫がとても愛らしく見えました。とても感情移入して、最後まで目がはなせませんでした。また、これを作った宮崎監督のすばらしさ、ジブリアニメのすばらしさを知りました。誰もが感動で切るジブリアニメ、これからも楽しみにしています。