1999年の夏休み 1999年の夏休み
 
 
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1999年の夏休み :

この二つの作品は似通っていて実は全く異なるものである。<P>金子監督は萩尾に翻案と言う形での作品制作を許可されるが、できあがったものは、表面的には、ほとんどトーマの世界とは無縁のものである。季節は冬から夏へ、国も違えば時代設定も違う。かろうじて少年たちの置かれた立場が似ている程度だ。しかし実にトーマの世界をコンパクトに翻訳し、見事にその世界を創作し、描ききっている。シェイクスピアと蜷川に譬えるなら、金子監督は萩尾に対する名演出家だ。残念ながらこれ以前でもこれ以降でも金子作品にここまでの素晴らしいスピリッツを感じたことがない。押井守が「決定版みたいなのをこんなに早くつくっちゃってよかったのか?」という懸念を呈したが、全く同感である。この映画には裸の金子監督の心が映っているようでなんとも微笑ましい。それだけに素晴らしい作品になることは当然といえば当然なのだが、輪をかけて賛美の言葉を贈りたい。

10年程前、この映画を見た。それ以来、この映画は私の宝物である。彼らの透明性、純粋性、そして、「めざめ」の前の、狂おしいほど誰かを(自分を)愛したいという息遣い。そんな切ない主題が全編を通して流れ込んでくる。それは、誰もが経験したおもい。この「場所」は、誰の心の中にもある「ピュアな世界」である。子宮の中とでも言おうか。彼らはそれには気づいていないが。<P>全寮制の寄宿舎の夏休み。家庭の事情で寮で夏休みを過ごさなくてはならない3人の少年の生活の中に、一人の転校生がやってくる。その少年は、先だって自殺した生徒に生き写しで、しかも、「なにか」を知っているようだった・・・。<P>萩尾望都の「トーマの心臓」を原作に近いかたちで使っているが、実はまったく別の主題であったといわざるを得ない。<P>わたしは、この、繊細で壊れることがわかっている濃密な「時」を描いたこの作品を作ってくれた人たちに感謝する。私たちの「めざめ」まえの、あのあやうくも甘い、、もう二度と帰ってはこない純粋なときを封じ込めた作品であるからだ。全編に流れる中村由利子の音楽もすばらしい。出会えてよかった作品である。

溢れんばかりの映像美が印象的なこの作品、個人的に大好きです。<BR>「トーマの心臓」にインスパイアされたストーリー、「未来世紀ブラジル」にインスパイアされたと思しきガジェット達、特に目新しい事はないはずなのに、何度見ても妙に新鮮な気がするのは何故だろう。<BR>夢の世界へ浮遊して行くが如く、いつまでも色あせない不思議な魅力を持った作品である。

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1999年の夏休み&nbsp;&nbsp;&nbsp;舞台はある全寮制の学院。初夏、悠(宮島依里)が湖に飛び込んで自殺し、そして夏休み。和彦(大寶智子)、直人(中野みゆき)、則夫(水原里絵=現・深津絵理)の3人だけが家に帰らず寮に残った。悠は和彦に想いを寄せていたのだが、それを拒絶されたために自殺したのだと自分を責める和彦を、リーダー格の直人が優しく包み込む。そして下級生の則夫もまた、和彦を慕っていた。そんなある日、悠そっくりの薫(宮島依里)という転入生が彼らの前に現れた……。<br> &nbsp;&nbsp;&nbsp;萩尾望都の名作コミック『トーマの心臓』を原作に、金子修介監督が透明感あふれる映像美と演出タッチで描いた青春映画のカルト的秀作。出演者は4人だけで、しかも少女が少年を演じるという大胆なキャスティングが見事に功を奏し、より一層ファンタジックな世界観が確立されている。(的田也寸志)
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