日本のハードボイルド映画といえば、依然として松田優作を思い浮かべる人が多いでしょう。この映画は、まさに彼が開拓した日本のハードボイルドの一本だと思います。昼間と夜の二つの顔を持つ男。うだつの上がらない男が、実は凄い切れ者。悪党を凌ぐ悪党。コミカルなセリフ。体内の欲望が姿を現し、制御できない姿。用意周到な男の一瞬の落とし穴。松田優作の作り出したキャラクターそのもののストーリー。ハードボイルド・ファンにはお奨めです。千葉真一、成田三樹夫、岸田森、小池朝雄など個性的な俳優が脇を固めているのも懐かしく感じられます。風吹ジュンが、最高に魅力的な映画だとも言えます。彼女のファンの方はお見逃しなく。
<BR>普通のサラリーマンと二重生活してるって、よくある設定だけどここまで極端なヤツは見ていて気持ちいいね。<BR>只野仁だってなんだかんだいって「特命」で上司に使われてるモンね。<BR>その点、朝倉は完全に自分のエゴだけで生きている!<P>「おい、大株主様にコーヒーぐらいもってこんか!ねぇ?」<P>はあ、オレも会社の上司や重役の前でこんなセリフ吐いてみてぇ・・・。<BR>こんなにふてぶてしさが似合う俳優って今いるかな?<BR>一般社員はリストラで悲鳴を上げているというのに大企業の不祥事が頻発する昨今。<BR>こんな時代でも、会社のお偉いさん方はずるいことやって会社の利益食いモンにしてるんだろうなぁ。<P>普通のサラリーマンのオレにはいいストレス解消になりました
原作の面白さを十分に映像としてあらわせているかというと、そこまで成功しているとは思えません。しかしながら松田優作はもとより個性的で魅力あるキャストで映画でしか見れない面白さがその不満を十分うめてくれます。<P>ハードボイルド的な映画は如何に個性的で魅力ある主役を抜擢し、現実離れさせすぎずうまくストーリーをたてていくか、が肝心要ですが、本作はその成功例であったかと思います。<P>暴れた後に仮面を被って椅子に身体を投げ出すように座る松田優作は有無を言わさぬかっこよさがありました。