面白いです。一言で言うと「12人の怒れる男たち」のパロディーと言うことになるのでしょうが、なかなか良く出来た日本人論になっていると感じました。さすが三谷幸喜さんです。失礼ながら、いわゆる有名な俳優は出ていないし、舞台の9割以上は会議室の中でのやり取りという、お金がかかっていない映画に属すると思いますが、却って脚本の素晴らしさが感じられます。その点で、「レザボア・ドッグス」に通じるものを感じました。また、ブレイクする前の豊川悦史さんがかなり重要な役で出ているので、トヨエツファンの方にもお勧めです。ハリウッドスタイルでなくとも「良い映画」は作れることの証左となっている映画の一本でしょう。☆5つあげちゃいます。
さすが三谷幸喜!!もう、見終わった後、事件のことが頭から離れません。<BR>日本人の私からすると、原作を超えたと行っても過言ではないくらいの出来。<BR>最初のうちはだらだらとした展開が続きますが、後半の怒涛の大どんでん返しには度肝を抜かれました。<BR>誰が主役でもない。誰が欠けても完成しない。<P>あの12人でないとこの作品は出来上がらなかったという点から考えても、三谷さんの脚本は文句の言いようのないものとなっています。<BR>DVDを購入する価値は大有りでしょう!!
『12人の優しい日本人』は、ぐるぐる急展開、ジェットコースターに乗っているような・・・アクション映画みたいな作品です。しかもそれが、ひとつの部屋で交わされる、12人の会話だけで、ほとんど成り立っているから圧巻です。このアイデアは、本家『12人の怒れる男』のものですが、「外国製品を真似て、より良い製品を生み出す」日本の伝統とも言える得意技は、ここでも発揮されています。内容までそっくり、アメリカ映画を真似ながら、日本独自のものになっているんです。<P> 日本で陪審なんて、まだまだあり得ません。良くも悪くも、変わりつつあることですが、西洋人的論理性は、日本人に浸透しきっていないからです。そんな過渡期にある、今の日本だから、『-怒れる男』とは全く別の意味です。『-優しい日本人』は面白いんです。この映画では、西洋人的論理性を持った新しい日本人と、感性で勝負する古典的日本人の、陪審員対決になっています。制度そのものが、論理的思考の上に成立していますから、現実同様この映画でも、「感性」は圧倒的に不利な立場で、無視されそうなんですが・・・結果は、是非映画を観て欲しいんです。<P> 何と言っても、『-優しい日本人』はコメディーです。三谷幸喜も中原俊も、巧みに、観る人を楽しませようとしています。そして見事に、おもしろ可笑しい映画に仕上がっています。気軽に楽しめて、観れば観るほど味が出る、素晴らしい映画です。