| 燃える闘魂 アントニオ猪木引退試合
:
90年東京ドームで行われた猪木、坂口組vs橋本、蝶野組のタッグマッチでは猪木は国会議員であったため、久しぶりのリングだった。橋本の蹴りで苦痛に顔をゆがめ、最後はお義理で蝶野に卍固めで勝たせてもらった。試合後のインタビューでは顔が青ざめ、「あいつらも強くなりました」と、もはやメインのリングは自身の場ではないと感じ取ったように思った。<P>以来、猪木はほとんどリングにあがっていない。<BR>94年、天龍を契機にまたリングをにぎわせたが、パワーボムであえなく3カウント。それで猪木は引退を表明した。<P>猪木は馬場とは違い、リングでのスターであり続けようとした。しかし橋本、蝶野の若い世代との戦い、他団体のスター天龍との戦いにおいて、出場機会が減った猪木が十分に戦えないのは当たり前のことである。<P>このDVDは猪木の引退マッチである。最後の最後でも猪木はやっぱりスターであり続けていた。短い試合時間であり、相手がドン・フライというのも少し役不足ではあったが、入場する猪木、戦う表情の猪木はやはりかっこよかった。<P>東京ドームでは7万もの人が集まった。ライブのよさはもちろんあるのだが、引退する猪木の一瞬一瞬ははっきり言って脳裏から消え去る。このDVDで何度もそれを振り返りたい。
|